みこもかる通信~web版~第7回       マコモ、って知ってますか?

第7回 マコモ、って知ってますか?

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マコモ、って知ってますか?この頃マコモ湯というワードをよく見かけます。実は、話題のマコモとこのブログの題名である「みこもかる通信」には深いつながりがあるのです!良い機会ですので、マコモと「みこもかる通信」の関係についてご説明したいと思います。

マコモとは、湖や川辺に育つイネ科の植物の名前です。マコモは昔、み薦(みこも)よ呼ばれていました。「みこもかる」は漢字で「み薦刈る」と書き、この言葉は和歌の中で枕詞として使われています。「み薦刈る」は、「信濃」にかかる枕詞として、日本で一番古い和歌集である万葉集にも出てきます。

      み薦刈る信濃の真弓我が引かば
                  貴人(うまひと)さびて、いなと言はむかも (久米禅師)
訳:信濃の真弓を引くように私があなたの心を引いたら、あなたは貴人らしく嫌だというだろうか。

       み薦刈る信濃の真弓引かずして
                  弦著くるわざを知ると言はなくに (石川郎女)
訳:信濃の真弓を真剣に引いてもいないのに、弓を引く技術を知っている人だとは言えないでしょう。

このように長野県にまつわる和歌に「み薦刈る」が使われています。ちなみに上の和歌二つは、両思いであろう二人がお互いに贈った恋文のような和歌です。マコモは清らかな水辺にのみ生育することができ、「み薦刈る」はマコモが生い茂る長野県の豊かな水辺を表しているのではないでしょうか。

水辺に生えるマコモ

私たち長野県薬剤師会検査センターは、長野県の環境保全や公衆衛生の向上のために日々活動しています。美しい信州の水環境を現す「み薦刈る」という言葉に感銘を受け、このブログの名前をみこもかる通信とさせていただきました。

マコモについてのミニ知識

マコモは食用できるため、栽培もされています。イネ科なので種子はお米に似ていて、北米ではワイルドライスとして食べられています。また、黒穂菌という菌に寄生されたマコモの新芽は大きく肥大し、マコモダケという名前で流通しています。黒穂菌はキノコの仲間ですので、害はありません。マコモダケはタケノコの様な食感で、ほのかに甘く、炒め物にするとシャキシャキとした食感でとても美味しいそうです!
 また、神が宿る植物として、葉はしめ縄等に使われています。出雲大社では、五穀豊穣と無病息災を願ったマコモ神事が毎年行われているそうです。

マコモダケ

以上、マコモとみこもかる通信の関係についてご説明させていただきました。今話題のマコモ湯についても今後クローズアップするかもしれませんので、またお立ち寄りください^^                 
                                  ねこ好き研究員 ねこ田