2025年2月26日 15:27
みこもかる通信~web版~第8回 お風呂のお湯は換えましょう!
第8回 お風呂のお湯は換えましょう!
前回のブログでは、マコモのお話をさせていただきました。今日は、この頃話題のマコモ湯の効果はさておき、お風呂のお湯を換えないことの危険性についてご説明します。
お風呂のお湯を換えないとどうなるのか、今回簡単な検証をしてみました。ビーカーに水道水を入れ、手を10秒ほど入れます。その後40℃でこのビーカーを24時間保温しました。これで一日お湯を換えなかったお風呂の完成です(仮)。比較対象として、手を入れなかった水も同様に40℃で24時間保温しました。
それぞれの水中の細菌の数を数えるために、寒天培地に接種して培養してみると。。。。

右のシャーレには数えきれない程のコロニー(細菌の集落)が!!
この様に、手を入れただけで細菌が爆発的に増えていることがわかります。お風呂の水は大抵の細菌にとって快適な温度であり、餌になる皮脂汚れも豊富であるため、細菌は増え続けます。一度使ったお風呂の中の細菌は、一晩で1000倍以上増えてしまうこともあるそうです。
お風呂の湯を換えない事で増殖する可能性がある危険な細菌、それがレジオネラ属菌です。この菌は消毒されていない水中で、20℃~50℃の温度で活発になり増殖します。お風呂の40℃はレジオネラ属菌にとって繁殖しやすい適温であり、餌も豊富な天国なのです。
レジオネラ属菌が原因の感染症は、レジオネラ肺炎(在郷軍人病)と、ポンティアック熱の2種類があります。これらの感染症はレジオネラ属菌を含んだ飛沫を吸い込むことで人体の中に入り込み、個人差はありますが重篤な症状を引き起こします。
レジオネラ属菌を増やさない一番の方法は、定期的な換水とお掃除です。また、塩素消毒も効果があります。通常水道水には0.1~0.3mg/Lの塩素が入っています。常温だとこの濃度で雑菌の繁殖を抑えてくれますが、加温や汚れと反応することで塩素は簡単に消費されてしまい殺菌効果は期待できません。ですので一般のご家庭の場合、換水とこまめな清掃でレジオネラ属菌が増殖する隙を与えないことが何よりの対策なのです!特に24時間循環風呂をお使いの場合、レジオネラ属菌が増殖している可能性が高いので、一度検査して確認してみることをお勧めします。
公衆浴場の場合、定められた頻度でレジオネラ属菌が義務づけられています。詳しい検査内容や頻度については、こちらをご確認ください。(厚生労働省 公衆浴場における水質基準等に関する指針)
ちなみにレジオネラ属菌は本来、土壌や湖沼にいる常在菌です。お風呂以外でも快適な環境の水があれば増殖してしまいます。
・加湿器の水
・冷房設備の冷却水
・クーリングミスト(熱中症対策で撒く霧)
これらの水がレジオネラ属菌に汚染されていたことが原因の、レジオネラ症集団感染が実際に発生しています。お風呂だけだと油断して良い菌ではありません。
以上、お風呂のお湯を換えないことの危険性、特にレジオネラ属菌についてご説明させていただきました。どんな入浴剤を入れたとしても、お風呂のお湯は毎日換えることを推奨します!!
24時間風呂を使っている・空調や加湿器の汚染が気になる。。。そんな方は一度長野県薬剤師会検査センターにご相談ください^^
ねこ好き研究員 ねこ田